オンライン研修が、これまでの講師と受講者が集合して行う研修と決定的に違うのは、いくら良い講師・プログラム・教材をそろえても、通信状況が脆弱であれば、台無しになってしまうことです。一定以上の通信環境の水準が満たせなければ、オンライン研修は成り立たないと考えてもいいでしょう。
ここでは、オンライン研修を実施するポイントをご紹介いたします。
通信環境
オンライン研修では、通信環境は一番のポイントです。
できるだけ容量の大きな通信環境が望ましいです。
しかし、通信容量が大きくても、Wifi(無線)では不安定感は否めません。
できる限り、有線での接続をお勧めします。
特に講師や研修会場の通信環境は大きなポイントです。個別参加の受講生にも、可能な限り通信環境のよい場所での受講をお勧めしましょう。
準備する機材
オンライン研修では、端末は必須です。端末には、パーソナルコンピューター(パソコン)や、スマートフォン(スマホ)、タブレットなどがあります。端末以外にもカメラやマイクなどの機材も必要ですが、端末によっては装備されているものもあります。デスクトップ型パソコンは、カメラやマイク、スピーカーが装備されていないものもあり、その場合は、外付けの機材を用意する必要があります。
講師側
1.パソコン
できる限り加増処理能力の高いものを用意したい。スマートフォンは不可。WEB会議システムの事前ダウンロードは必須。
2.ヘッドセット
近くにサブ講師などがいる時は、ハウリング防止のため、利用する方が無難である。
3.WEBカメラ
パソコンに装備されていることが多い。より画質の良いものが欲しい場合は外付けのものを用意する。
4.スピーカー
パソコンに装備されていものは、音量が小さいものが多いので、外付けのスピーカーを用意した方が無難である。
5.マイク
パソコンに装備されているが、講師の音質は極めて大切である。性能のよい外付けマイクを用意したい。
受講者側
1.パソコン
WEB会議システムは事前ダウンロードしておく。スマホは、WEB会議システムの機能が制限されるものもあるので注意する。
2.ヘッドセット
近くに受講生などがいる時は、ハウリング防止のため、利用する方が無難である。
3.WEBカメラ
PCに装備されていることが多い。複数で受講する場合は、広角の外付けカメラを用意するとよい。
WEB会議システム
WEB会議システムは、参加者同士が、画像と音声でやり取りできるシステムです。代表的なものに、Zoom・Teams・Webex・Meet・Skype等があります。多くは、無料でダウンロードできるようですが、その場合、機能や使用可能時間が制限されている場合があります。特に講師として実施する場合は、事前によく確認しておく必要があります。
また、団体・企業によっては、社内規則で制限されているシステムもあるようです。事前に確認しておきましょう。
どのWEB会議システムも、一般的によく使用されているものなので、オンライン研修を行うのに問題はありません。ただ、それぞれ特徴やクセがありますので、操作法や機能を確認しておいてください。
プレスタイム主催の公開セミナーでは、グループワークのしやすい機能がついているZoomを活用しています。
オンライン研修開催にあたって
オンライン研修を実施する際に、「主催者側」と「受講生側」の2面からチェックポイントを以下にあげます。
講師側
通信環境・接続法・備品(パソコンやWEBカメラなど)の確認は済んでいますか?事前に数回動かしてみましょう
WEB会議システムの操作は大丈夫ですか?受講生にも事前に操作レクチャーをしておくと安心です。
研修の進め方・リハーサルは済んでいますか?
使用するスライドデータや資料等の準備はできましたか?
当日は、早めに(30分前位)研修会場を開いておきましょう。
トラブルに対応するため、アシスタントも確保しておきましょう。
受講者側
WEB会議システムをダウンロードしましたか?
マイクやカメラの準備はできましたか?実際に数回動かしてみましょう。
研修の進め方・リハーサルは済んでいますか?
通信環境は安定していますか?
集中して受講できるスペースは確保していますか?
近くで複数のPCで受講すると、ハウリングが起こるので注意が必要です。
オンライン研修の進め方のポイント
オンライン研修を進めるにあたって、アシスタントの役割は、従来の集合型研修より大きいものがあります。
主な役割として以下のことがあげられます。また、参加人数によっては、複数のアシスタントが必要になります。
アシスタントの役割
①システム上の研修会場に入室するためのアドレスやIDなどを受講生に送信する
②研修会場への入出時に、招待した受講生がどうかをチェックする
③研修会場に入室できない受講生、通信環境により退出してしまった受講生の対応
※参加の難しい受講生と連絡を取り合うための携帯電話を準備しておく。
④グループワーク・討議の組分けなどのサポート
⑤受講生側の端末がどのような画像・音声になっているかを確認する
⑥講師用端末の不測の事態に備え、予備の端末を準備しておく。
オンライン研修の講師を務める際に、従来の集合型研修と異なる点は、「受講生の反応がわかりにくい」「講師の熱意が伝わりにくい」といったところがあります。その点をカバーする必要があります。
講師の注意点
①講師の画像が暗いと受講生のモチベーションが落ちがちになります。
画質の良いWEBカメラや照明を準備したいところです
②音声は大きめに、音量チェックはもちろん、できれば性能のいいマイクを用意することをお勧めします
③明るいあいさつ、ジェスチャーは大きめに表現します。画像は胸から上なので、手のジェスチャーは顔周辺で行うようにしてください
④受講生の反応が少ないと研修は進めにくいものです。受講生の画像はオンにしてもらいましょう。受講生に対しては、ジェスチャーなどでの反応を促すようにしましょう
⑤スライドデータは、シンプルで見やすいものにしましょう。
文字は少なめにしたり、箇条書きにしたりするなどでして工夫しましょう