ファシリテーターとは
ファシリテーター(促進者)とは
「ファシリテーター」とはグループの自由な話し合いを中心としたトレーニングの場(「エンカウンターグループ」や「Tグループ」と言われています)で、参加者一人ひとりの“人間的成長”を促進するのが、もともとの役割でした。米国の心理学者であるカール・ロジャースを中心に、1950年代より行われたエンカウンターグループにおけるリーダー役が、その始まりと言われています。
その後、話し合いやグループワークなどを通しての“学び”や“問題解決”などの場であるワークショップの講師や進行役的な役割も、「ファシリテーター」と呼ぶようになりました。
ファシリテーターの真の役割とは
場の状況(各メンバーの気持ち、グループの雰囲気など)を察し、
“一人ひとりの学びや満足感”、“グループとしての有意義な方向性”、
そして、“メンバーとしての、チームとしての成長”が、
自発的に生まれるように促進すること
ファシリテーターの役割は誘導したり、教えたりすることではありません。
ファシリテーターは、あくまで「促進者」なのです。
ファシリテーターが身に付けるべき素養
プレスタイムは、創業以来、人間関係をテーマに、「生き生きと働ける職場づくり」を目指し、
それを具現化する人として、「ファシリテーター」の養成に取り組んで参りました。
ファシリテーターとは、研修や会議だけではなく、普段の職場であっても、何らかの気づきを促す人です。
自由闊達にコミュニケーションが取れるような場をつくること。
そうして、各メンバーの気づきを促す役割が、ファシリテーターの本来の姿です。
Skill 1
話しやすい雰囲気づくり
ファシリテーターが、まず、真っ先に求められる素養は、参加メンバーが何でも安心して話せる雰囲気をつくることです。それは、ファシリテーターとしてのコミュニケーション・スキルの基本であり、一番大切なことです。
イベントや研修会では、緊張感を解くための“アイスブレーク”と言われるミニワークを使います。それもよい方法ですが、最大のポイントは、ファシリテーター自身の明るいあいさつと笑顔です。
POINT
安心して話せる雰囲気づくり
アイスブレイクワークの活用
ファシリテーターの明るいあいさつと笑顔

Skill 2
グループの状況把握
ファシリテーターは、メンバー一人ひとりの気持ちやチームの雰囲気を察しながら、ワークショップやミーティングを進めていく必要があります。表に出ている文字や絵などの情報よりも、水面下にある気持ちや雰囲気(プロセス)がその成果を大きく左右します。それは、あたかも、氷山のように、水面上の実際に見える部分よりも、隠れている部分の方が大きいようです。ファシリテーターはそれを注意深く観察することがポイントです。
しかし、“コンテント”と言われる、実際に表で起きていること、例えば、「テーマからそれすぎていないか?」「適切に時間管理されているか?」などの把握と整理のスキルも必要です。
POINT
グループの観察はファシリテーターの役割
気持ちや雰囲気を感じ取ることがポイント
表に現れている情報の把握と整理も大切

Skill 3
ヒューマンスキル(人間関係能力)
グループの状況やメンバーの気持ちを理解するためには、コミュニケーション、リーダーシップ、チームワークなどのヒューマンスキルを一定以上のレベルで発揮できる力が必要です。そのためには、「コミュニケーションの奥深さ」や「リーダーシップとは何か?」などの理解が前提になります。
マネージャーやリーダーに求められている“ヒューマンマネジメント(メンバーのモチベーションの維持・高揚)”は、ファシリテーターとしてのスタンスであり、スキルと言えるものです。
POINT
グループの状況理解には、人間関係能力の発揮がポイント
コミュニケーションやリーダーシップの理解が必要
メンバーのモチベーション高揚がファシリテーターの役割

Skill 4
体験から学べる力
右図は、「ラボラトリー体験学習の循環過程」です。これは、ワークショップなどのワーク参加型研修のファシリテーターにとって、必須の考え方です。これは、仕事の指導にも応用できるステップでもあります。
ファシリテーターは、メンバーの成長を促進することも大きな役割です。その成長には、研修や組織活動における「体験」をふりかえり、「学び」や「改善」に結び付けるステップが必要です。同時に、ファシリテーター自身の“体験から学ぶ姿勢”が、メンバーの前向きな力を促します。
POINT
「体験」をふりかえることが成長につながる
“ラボラトリー体験学習”の考え方を理解する
ファシリテーター自身も、「体験」から学ぶ姿勢が大切

Skill 5
行動を改善していく意志
ファシリテーターは上位者ではありません。常にメンバーと同じ目線で立ち振る舞いをする必要があります。職場においても、ワークショップにおいても、ミーティングにおいても、メンバーから学ぶ姿勢が必要です。
メンバーは、ファシリテーターの行動に注意を向けています。職場では、ファシリテーターとしての姿が、メンバーの成長の糧になります。常日頃から、自分の行動をふりかえり、「何がいけなかったのか?」「改善するためには何が必要か?」を常に自問自答し続ける態度が必要です。
POINT
ファシリテーターは、メンバーと同じ目線でいる
メンバーは、ファシリテーターの姿に注意を向けている要
日頃の行動をふりかえり、自問自答する態度が必要

ファシリテーターを学ぶ一番の意義は、“人間的成長”です。
良好な人間関係を築き、組織や社会で輝けるメンバーやリーダーとなることです。
弊社で学ぶ“ファシリテーター”のやり方や態度、考え方は、様々な場面で役に立つものです。
リーダー・マネージャーとして
・メンバーが自主的に仕事をするような職場づくりができる
・日頃の職場で、メンバーに対し、自然な形での指導・育成ができる
組織人、チームメンバーとして
・他のメンバーとのコミュニケーションや人間関係がスムーズになる
・場面に応じた役割を認識でき、リーダーシップの発揮ができる
営業職、サービス職として
・顧客が、何を望み、どのような気持ちかを察することができる
・顧客から、様々な情報や気持ちを伝えてくれる雰囲気をつくれる
イベント・会議・研修での進行役・講師として
・参加者が本音を伝え合い、効果的な話し合いを進める雰囲気をつくれる
・参加者が満足感や学びを得るような開放的な雰囲気をつくれる