BLOG

ノムさんのコラム_Try!コミュニケーション【第2回 「みとめ合う」】

私は現在プレスタイムでファシリテーターをしていますが、過去に複数の企業や団体で働いていました。
様々な職場がありましたが、今回は、過去に身を置いていたある職場の様子を人と人との関係、
とりわけコミュニケーションという観点から改めて思い返してみて、考えたことをお話ししたいとおもいます。

その職場の中では、一見皆が役職や上下問わず、明るくコミュニケーションを取っているように見えましたが、
匿名で職場についてのアンケートを取ると、毎回言いたいことが言えない・やりがいを感じない・などの回答が
メンバーから上がってきて、管理職層はなぜだろうと頭を悩ませているようでした。

 

特にメンバーと直接関わる立場であるマネージャーは「こんなにコミュニケーションを取っているのに!」
と、納得のいかない様子です。確かに普段から明るいトーンの音声言語(あえてこう表現します)
自体はよく交わされており、一見、立場(職位)に拘らずフラットなコミュニケーションのできる雰囲気
の職場であるように見受けられました。
しかし、改めて思い返してみるとこれが要因ではないか、と思い当たることがあります。
それは、マネージャーが、メンバーを

「みとめていない」のです。

 

もちろん、ハラスメントになるような、あからさまに高圧的な態度や言動はないですし、むしろメンバー同士
闊達に意見を出し合うフラットなコミュニケーションを推奨しているかのように振舞っているようでした。

また、ミーティングなどでもメンバーに発言を促し、かつそれを遮るようなこともなくしっかりと「聞き」は
しているようですが、決してメンバーから出された考えを「みとめない」のです。

自分の考えや価値観に合わない考えが出た際には決まって「それは違う」といって、異なる考えをまずは受け入れたり、
興味関心を示したりすることはありません。
マネージャーは、その職場では最も在籍期間が長く部門長などの上層部よりも顧客や業務について熟知しており、
そういった自負もあったのでしょう。

そういった態度、姿勢をメンバーは感じており、マネージャーに対して一見思ったことを忌憚なく発言して、
フラットなコミュニケーションをしているようで、実は当たり障りのない内容ばかりで、職場内には何とも言えない閉塞と、
停滞した様子が件の匿名のアンケートの結果としてあらわれているのは明白でした。

また、相応のキャリア(ここでいうキャリアは組織内での職能や実績などの外的キャリアを指す)のある
メンバーの中には思うところがあって、水面下で準備をして転職する、強い希望を出して他部署に異動する人もいました。

これだけ見ると、マネージャー側だけの問題のようですが、メンバーの側も「どうせ言っても無駄だ」
「聞いたふりをして適当にやり過ごそう」「面倒だから相談せずにおこう」というある種の諦めがメンバー間にあったようです。
いわばマネージャーを信頼しておらず、「みとめていない」のです。

人と人との関係において、「みとめ合う」とは、相互に相手の価値観や考えをはじめその人そのものを尊重することとも言えます。

お互いを「みとめ合う」ことがない職場では、気持ちの通じ合いのない表面的なコミュニケーションに終始し信頼関係を築くことは
難しいということを、件の職場のあり様は如実に表しているといえるのではないでしょうか。

 

~ 最後までお読みいただき、ありがとうございました ~

コラム担当:野村のご紹介はこちらから!

 

*******************************************

研修マニュアル「Try!コミュニケーション」のご案内

****************************************

1テーマ30分で、「知り合う」~「信頼し合う」まで、12のコミュニケーション・ワークが収載されています。
ねらいや時間などに合わせて、また、1日や半日かけて・年に数回に分けて・・など実施方法も選べます。
当マニュアルを使った「研修ファシリテーター認定講座」も好評開催中です!

※「ノムさんのコラム「Try!コミュニケーション」」は、
当マニュアルのワークのタイトルをコラムにし、毎月更新をしています!

「Try!コミュニケーション」詳細はこちらから

「研修ファシリテーター認定講座」詳細はこちらから