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【11月】『おまつりと場づくり』(講師:野村)

私は、プレスタイムのファシリテーターでありますが、神職(神主さんといった方が分かり
やすいでしょうか)の階位を持っておりまして、時折おまつりにご奉仕することがあります。

おまつりといっても、所謂「わっしょい!」の「お祭り」ではなく、
身近な例ですと、神社の例大祭、七五三や厄年の際の、昇殿してのご祈祷やお祓い、
お家や建物を建てる際の地鎮祭などといった、祭祀(さいし)のイメージが分かりやすいと思います。

おまつりの際に神職は、神さまに、神前にいる人たちの祈願を聞き入れ頂けるように伝える「なかとりもち」を担います。
すなわち、皆の願いをシッカリと聴いたうえで、大和(やまと)言葉を、宣命体(せんみょうたい)
という文体にしてつくった祝詞(のりと)に乗せて神前で奏上する役目であります。

野村さんです

神職にとってもう一つ大きな役目があります。

それが、「場づくり」です。

おまつりの場は神社の拝殿、野外、また家の中など様々ですが、いずれの場所であっても、神さまも、
そこにいる人たちにとっても居心地が良く、皆がひとつにまとまっていることを感じることが出来る
ような、よいおまつりの場をつくることを心がけることが大切です。

祭式の作法に則って、滞りなく、その場にいる人たちが戸惑わないようにおまつりを行うことは言わずもがなですが、
例えば、清々しい気持ちでお祈りができるように掃除をして清浄な場を保つなどの事前の準備をしたり、
お社への参拝やおまつりの参加をねぎらう柔らかい言葉がけで場を和ませたりする、などの気配り、目配りもおまつりを行う上で欠かせません。

そして何より、おまつりの主役は神職ではなく、神前にいる人たちひとりひとりです。
神職は、神さまとおまつりに集って祈願する人たち、もちろん自身も含めてこの場を通じて一体となれるような、
よい場づくりを担っているとも言えます。

これは、ファシリテーターが、ミーティングなどでメンバー全員が、
参加感をもって“チーム活動の成果の喜びを全員が感じる”ことが出来るように、
チーム活動の促進者として振る舞い、有意義な場づくりを行うのと通じるものがあるな、と最近感じています。

もちろん、おまつりとミーティングや会議という場面の違いはあります。
しかしながら、神職もファシリテーターも、その場に集う人たちが一体感をもって、参加してよかったな、
という気持ちを感じる場づくりを促す役目を担う、という点において自分の中では何かつながるものがあるように思います。

そういった面では、神職は祭祀における促進者=ファシリテーターであるともいえるのではないでしょうか。

 

~最後までお読みいただき、ありがとうございました~