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ノムさんのコラム_Try!コミュニケーション【第4回 「はなす」】

人に何かを話して伝えるときに、イマイチ相手に伝わっていないなあ・・とか、
思った通りに動いてくれない、などということは皆さんもご経験があると思います。

特に、相手が年端もいかない子供である場合などは、なかなかこちらの言ったことが伝わらなかったり、
理解できなかったりする場面を目にする方も多いのではないでしょうか。

以前とある道場で少年剣道の稽古を見ていた際に、こんなことがありました。

その道場では、県警を退官されて10年ほどの比較的ご高齢の先生が15名ほどの小学生を指導していました。
先生は現役時代には県警の特別練成員であったいわば剣道の専門家の方で、
私が言うのも大変僭越な話ですがのその実力は折り紙付きです。

熱心に指導をされているのですが、時折小学生たちが先生の言うことが伝わっていないのか、
フリーズしてしまうことがしばしばありました。

私もなぜだろうと思って先生が子供たちにはなす内容に耳を傾けてみると、
どうやら、先生の発する言葉の表現が小学生、特に低学年の道場生たちにとって
なかなかイメージがしにくいものがあるようでした。

たとえば、打突(だとつ:面や小手といった部位を竹刀で打つこと)を
もっと瞬発力のある打ちをするように、という指導をする際。

「ポン菓子※のようにはじけろ!!」(※穀物を膨らませて作る駄菓子の一種。)

正々堂々と勝負をしなさいということを伝える際には

「俺は男だ!村田英雄※だ!!」 (※昭和を代表する演歌歌手。1929~2002)

などなど、小学生もさることながら、周りで見ている保護者の方々も先生と世代が離れてこともあり、
そのニュアンスがうまく伝わっていない様子であったのを記憶しています。

(ただ、私個人的には「俺は男だ!村田英雄だ!!」はその破天荒なエピソードを
テレビで見聞きしていたこともあり思わずクスっと笑ってしまいましたが)

ただ、こういったケースは誰しもが多かれ少なかれ経験したことがあるのではないでしょうか。

自分にとっては当たり前で誰しもが知っているだろうと、いわば「常識」や「共通言語」
であると思って発した言葉の表現が、相手にとってはなじみが無かったり、
未知のことであったりすることはしばしばあることです。

先の出来事のような世代間でのギャップの類だけではなく、
例えば特定の業界のみで使用されている言葉や専門用語、カタカナ語などを
説明なく、ついつい使ってしまい、相手がその言葉を受け止めることが出来ず
気付けば置いてきぼりになっていた・・・
などということはかくいう私自身も恥ずかしながら過去に何度かありました。

「はなす」という言葉を辞書で調べてみると、「声に出してものを言う」とともに

「言葉で相手に伝える」

という意味が出てきます。

音声を発するだけではなく、受け取る相手の側に立って、理解できるように言葉や
表現を選んで伝えることも「はなす」ことの欠かせない要素なのではなのでしょうか。

自分自身、相手にシッカリと伝わることを意識して「はなす」ようにしようと改めて思ったエピソードでした。

 

~ 最後までお読みいただき、ありがとうございました ~

 

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